賃貸物件のトラブルは、早期の対応を


賃貸物件の借主が家賃を払ってくれなかったり、契約とは異なる使い方をしていて迷惑だったりしていませんか? 滞納している家賃をまとめて支払ってくれれば良いのですが、滞納するということは、借主はそれだけ経済的に困窮しているということ。放置しておいても支払ってもらえる可能性は低く、新たに貸すこともできません。大家さんにとっては、損失が増えていくだけです。

こういった場合、不動産管理会社が積極的に交渉して支払ってもらったり、退去してもらうことは、弁護士法の関係から難しく、また、大家だからといって勝手に貸している部屋に入ったりすることもできません。これを自力救済の禁止と言い、たとえば突然借主がいなくなってしまっても、部屋に立ち入って残された家具等を処分したりすることは、違法行為となってしまいます。

もはや法的手段に訴える他はないのですが、訴訟から強制執行にまで至った場合は、半年ほどの期間がかかり、また執行業者の費用もかかります。もちろん、訴訟を弁護士や司法書士に依頼した場合はその費用も必要です。しかし、放置してマイナスがかさむより、早期に建物を明け渡してもらって新たな借主を見つける、いわゆる「損切り」をする方が、大家さんにとってのメリットは大きいのが事実。家賃滞納は、早期に動くことをお勧めします。

建物明渡の流れ

賃料滞納による建物明渡を求める場合…
①内容証明郵便で賃料支払いを催告し、期限までに支払いがない場合は賃貸借契約を解除する旨を通知
②任意で交渉し、家賃の支払い、建物の明渡を求める
③交渉不成立の場合は訴訟提起
④勝訴判決を得て明渡

以上の流れとなります。賃料滞納という事実があれば借主も反論できず、明渡が認められるのが通常です。ただし、勝訴しても、裁判所が被告に退去を促したりしてくれるわけではありません。また、滞納している家賃を取り立ててくれることもありません。

このように借主が判決後も出ていかない場合、明渡の強制執行を申し立てます。
これはタダではなく、執行官の費用や部屋の荷物を搬出する費用等がかかります。もちろん、その費用は借主に請求できるのですが、借主が素直に支払ってくれることは考えにくく、結局は大家さんの費用負担となる場合が通常です。 ときと場合によっては、滞納家賃を免除したり、立退き料を支払った方が安く・早く解決する場合もあります。

また、勝訴判決を得たものの、借主が部屋を別の人に貸渡したりしていた場合、せっかくの勝訴判決が効果をなさなくなることもあります。これに備えるのが「占有移転禁止の仮処分」なのですが、仮処分の執行をすることによって借主があきらめ、訴訟前に決着が付く場合もあり、活用するかどうかはケースバイケースと言えるでしょう。

当事務所では、任意での話し合いによる解決をはじめ、即決和解や訴訟による解決、強制執行はもちろん、裁判書類作成による本人訴訟支援も行っています。

ご相談に際して

司法書士の代理権は、訴訟物の価額が140万円までとなります。建物明渡訴訟の場合、建物の固定資産税評価額の2分の1が訴訟物の価額となり、アパートやマンションの場合は、建物全体の評価額から該当する貸室の占有面積分にあたる評価額の2分の1となり、多くの場合はこの範囲内に収まります。(滞納している家賃の額は関係ありません)

ご相談の際は、以上の訴額算定のために建物の「固定資産税評価証明書」、また事実関係把握のために「賃貸借契約書」、その他に家賃の滞納状況が分かる帳簿や通帳などをご用意ください。なお、司法書士報酬はこちらからご確認ください。